墨田簡易裁判所 事件番号不詳 判決
主文
被告人を罰金一万円に処する。
右罰金を完納しないときは金二百円を一日に換算した期間被告人を労役場に留置する。
訴訟費用は被告人の負担とする。
理由
(事実)
被告人は自動車運転の業務に従事しているものであるが、昭和三十二年九月十九日午後一時四十分頃三輪貨物自動車を運転して石原町一丁目交叉点方面より蔵前橋方面へ向け時速二十五キロ位で進行し、東京都墨田区横網町四番地先道路の交叉点にさしかかつたが、同交叉点の左右に通ずる道路の見とおしは悪く同方向から車馬等の進出するにおいては出会頭の衝突の危険が予想されるからかような場合自動車運転者としては十分に減速徐行すると共に左右に通ずる道路から車馬の進出の有無を確認して進行しなければならない業務上の注意義務があるのに、これを怠り他の方向の道路の交通の安全を確認しないで前記速度のまま漫然進行したため、左方両国駅方面より進行して来た高橋友二郎(当三十九年)の操縦する自転車を左前方約八メートルの距離に発見しあわてて避譲急停車の措置を講じたが及ばず自己の運転する自動車の左側を右自転車に衝突させて同人を路上に顛倒させ、因つて同人に左上腕骨々折等加療四ケ月間を要する傷害を負わせたものである。
なお被告人は昭和三十二年十一月二十六日墨田簡易裁判所において、道路交通取締法施行令違反罪により科料五百円に処せられたものであり、被告人の当公廷におけるその旨の供述並びに墨田区検察庁の作成した被告人に対する前科調書によつて明かである。
(証拠)(省略)
(適条)
刑法第二百十一条第十八条罰金等臨時措置法第二条第三条
刑事訴訟法第百八十一条第一項本文
(昭和三三年五月二三日墨田簡易裁判所)